今回は、プロの不動産投資家が「物件を見た瞬間に買い判断を下す理由」について、実務の視点から解説していきます。
不動産投資の世界では、同じ利回り6.5%の物件であっても、稼働率の差によって年間の手残りが100万円単位で変わることは決して珍しくありません。
表面利回りだけでは見えない、プロが重視する判断軸を理解することで、投資判断の精度は大きく向上します。
今回は、
「プロ投資家達が狙っている1棟アパートの特徴」を以下の4つの視点から整理してお伝えします。
①立地(エリア)
②収益性
③リスク・修繕
④金融・出口戦略
不動産投資において、立地はすべてと言われます。
プロの視点で言えば、立地とは「どれだけ負けにくいか」を決める要素です。
プロ投資家が真っ先に確認するのは、賃貸需要が自然に発生するエリアかどうかです。
その判断基準は、主に以下の3点です。
・過去の稼働率が95%前後で安定しているか
・退去後、次の入居が1か月以内に決まっているか
・ポータルサイトで同条件の空室が長期滞留していないか
これらが揃うエリアは、特別な工夫をしなくても入居が決まりやすく、稼働率が安定します。
中古物件の場合は、管理会社に「このエリアでは1Kならどれくらいで決まるか」を必ず確認します。
プロはこの質問を、ほぼ例外なく行います。
初心者の方ほど、「家賃が高い=良い物件」と考えがちですが、プロの見方は逆です。
プロが評価するのは、
購入後の工夫によって収益を伸ばせる余地があるかどうかです。
相場上限まで家賃が取られている物件よりも、
相場よりやや低く、改善によって家賃アップが見込める物件の方が、投資効率は高くなります。
次に重要なのが返済比率です。
家賃収入に対するローン返済の割合が高すぎる物件は、空室・家賃下落・金利上昇に非常に弱くなります。
実務上、返済比率が60%を超える物件は、プロは慎重になるケースが多いです。
さらに見落とされがちなのが、入退去コストです。
広告料(AD)、原状回復費用、設備交換、空室期間の損失を含めると、
1回の退去で30万〜50万円以上のコストが発生することもあります。
プロは、「この物件は1回の入れ替えでいくら利益が削られるか」を必ず計算します。
大規模修繕は、1回あたり500万〜1,000万円規模になることも珍しくありません。
購入後5年以内に大規模修繕が来てしまうと、キャッシュフローが一気に悪化します。
プロが即判断で購入する物件は、
・過去に適切な修繕が行われている
・今後10年は大規模修繕の可能性が低い
こうした条件を満たしている物件です。
修繕履歴の確認は、価格交渉以上に重要な判断材料となります。
プロ投資家は、購入時点で「どの銀行が、どんな条件で融資を出すか」まで見ています。
銀行評価が高い物件ほど、
フルローンが狙いやすく、返済期間が長く取れ、金利条件が優遇されやすい
結果として、投資効率が大きく向上します。
例えば、1億円の物件で銀行評価が9,500万円出る場合と、
7,000万円しか出ない場合では、必要自己資金に3,000万円もの差が生まれます。
さらにプロは、購入した瞬間に10年後の売却価格を想定します。
利回りが0.5%変動するだけで、売却価格は1,000万円近く変わるケースもあります。
出口利回りを0.5〜1%悪化させたストレスシナリオでも成立するか。
ここまで検証した上で、購入判断を行うのがプロの投資判断です。
今回お伝えした内容は、プロ投資家が実際に見ている判断基準そのものです。
これらを知っているだけでも、「買ってはいけない物件」を確実に避けることができます。
不動産投資は、知識と判断軸で結果が大きく変わる世界です。
ぜひ本コラムを何度も読み返し、ご自身の投資判断に役立ててください。
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