「ナフサ危機の影響で建築費が高騰し、不動産投資はもう終わったのではないか」
最近、このような不安の声を耳にする機会が増えています。
原材料価格の上昇、建築費の高騰、金利上昇など、不動産投資を取り巻く環境は大きく変化しています。
そのため、「今から不動産投資を始めるのは危険なのではないか」と感じている方も少なくありません。
しかし、結論から申し上げると、不動産投資そのものがオワコンになったわけではありません。
正しく見るべきなのは、「不動産投資全体」ではなく、「どの会社が、どのような物件を提供しているのか」という点です。
今回は、ナフサ危機による建築費高騰が不動産投資へ与える影響と、これからの時代に選ぶべき物件のポイントについて解説します。
【ナフサ危機によって不動産投資が終わりと言われる理由】
不動産投資が厳しいと言われる大きな理由の一つが、建築費の上昇です。
建築資材の多くは石油化学製品と関係しており、原油価格の変動による影響を受けます。
ナフサは石油から作られる化学原料の一つで、断熱材、接着剤、塗料、防水シートなど、住宅やアパート建築に使用される多くの資材に関係しています。
そのため、原油供給の不安定化やナフサ価格の上昇は、建築コストの上昇につながります。
特に新築アパートの場合、これから建築する物件であるため、現在の高い資材価格がそのまま建築費に反映されます。
一方で、中古アパートはすでに完成しているため、建築時の資材価格上昇が販売価格へ直接影響することはありません。
つまり、現在の環境では新築物件ほど建築費高騰の影響を受けやすいと言えます。
【建築費が上がっても家賃を上げられない理由】
「建築費が高くなったなら、その分家賃を上げればいいのでは?」
このように考える方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、不動産投資において家賃はオーナーが自由に決められるものではありません。
家賃は基本的に、そのエリアの需要と供給、周辺物件の募集条件によって決まります。
例えば、周辺の似た条件の物件が8万円で募集されている場合、新築だからといって10万円で募集しても、入居者から選ばれにくくなります。
つまり、建築費が20%上昇したからといって、家賃も同じ割合で上げられるわけではありません。
仮に以前8,000万円で建築できたアパートがあり、年間家賃収入が560万円だった場合、表面利回りは約7%です。
しかし、建築費が1億円まで上昇した場合、家賃を多少上げられたとしても、投資利回りは低下します。
さらに現在は金利上昇も進んでいるため、利回りと借入金利の差が縮まり、投資家の手残り収益にも影響します。
これが「新築アパート投資は厳しくなった」と言われる理由です。
【本当に注意すべきなのは「すべての新築」ではない】
ここで重要なのは、建築費高騰の影響はすべての不動産会社に同じように起きているわけではないということです。
実際には、建築コストを抑えられる会社と、価格上昇をそのまま販売価格へ反映している会社に分かれています。
特に注意が必要なのは、仕入力や施工体制が弱い会社が作る新築アパートです。
資材不足が発生すると、大手企業や大量発注を行う会社が優先される傾向があります。
規模の小さい会社の場合、
・必要な資材が確保できず工事が止まる
・途中で追加費用を請求される
・完成時期が大幅に遅れる
といったリスクが発生する可能性があります。
不動産投資では、物件が完成して入居者が入ることで初めて家賃収入が発生します。
工事が遅れれば、ローン返済だけが先行するという状況にもなりかねません。
【高利回りに見える新築アパートには注意が必要】
厳しい市場環境になるほど、「高利回り」を強調した販売が増える傾向があります。
しかし、表面上の数字だけで判断することは非常に危険です。
例えば、
・部屋を極端に狭くして建築コストを削減する
・設備グレードを落として価格を抑える
・周辺相場より高い家賃設定をする
・広告費を大量投入して満室に見せる
といった方法で、見た目の収益性を高く見せることがあります。
新築時は新築プレミアムや広告効果によって入居者が決まる場合があります。
しかし、数年後に退去が発生した際、同じ条件・同じ家賃で募集できる保証はありません。
大切なのは、「購入時に満室かどうか」ではなく、「将来的にも入居者から選ばれる物件かどうか」です。
【これからの不動産投資で重要なのは会社の仕入力】
では、これからの時代に成功する不動産投資とはどのようなものなのでしょうか。
ポイントは、物件そのものだけではなく、供給する会社の力を見ることです。
建築費高騰の局面でも安定して物件を提供できる会社には共通点があります。
例えば、
・メーカーとの継続的な取引による資材調達力
・大量発注によるコスト削減
・設備仕様の標準化
・土地仕入れから建築、販売、管理まで一貫した体制
などです。
規模や実績のある会社ほど、市況変化への対応力があります。
不動産投資では「安い物件を買う」ことよりも、「適正価格で、長期的に収益を生む物件を選ぶ」ことが重要です。
【これから不動産投資を検討する方へ】
ナフサ危機による建築費高騰によって、不動産投資の環境は確かに変化しています。
しかし、これは市場全体が終わったという意味ではありません。
むしろ、物件を見る目を持つ投資家にとっては、優良物件を見極める重要なタイミングとも言えます。
これからの不動産投資では、
「利回りが高いから買う」
「新築だから安心」
という判断ではなく、
「この価格は適正なのか」
「この会社には安定した供給力があるのか」
「将来的にも入居需要があるエリアなのか」
という視点が欠かせません。
市場環境が変化する時代だからこそ、信頼できるパートナー選びが資産形成の成功を左右します。
不動産投資を検討されている方は、現在検討している物件が本当に適正なのか、第三者の視点で確認することをおすすめします。
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