今回は、多くの不動産投資家の方からご相談をいただくテーマ、
「1億円以上の物件でフルローンは本当に通るのか」
そして、通るとすればどのような条件が必要なのかについて、実務ベースで解説していきます。
結論からお伝えすると、
融資は“フルローンが通るかどうか”ではなく、不動産投資家としての総合力が問われる世界です。
そして何より大切なのは、借りられるかではなく、借りたあとにきちんと利益が残るかという点です。
一般的にフルローンとは、物件価格に対して自己資金を入れずに融資を受けることを指します。
ただし実務上は、「物件価格は全額融資、諸費用は自己資金」というケースが大半です。
例えば、1億円の一棟アパートを購入する場合、
登記費用、仲介手数料、火災保険、銀行手数料、不動産取得税など、
物件価格の5〜7%程度の諸費用が別途必要になります。
つまり、
フルローン=完全な手出しゼロではない
という点は、まず正しく理解しておく必要があります。
1億円以上の融資を検討する際、銀行が重視する個人属性は主に以下の5点です。
①年収
②金融資産
③他の借入状況
④勤務先
⑤年齢
年収の目安としては、1億円のフルローンであれば年収1,000万円前後からが一つの土俵になります。
実務上は、1,000万〜1,500万円程度あると、融資検討が現実的になってきます。
勤務先については、上場企業、大手企業、公務員、インフラ、医療関係などが評価されやすい一方、
中小企業やベンチャー、不動産・建設業はマイナスに見られることもあります。
ただし、業績が安定していれば十分にチャンスはあります。
金融資産については、購入後も1,000万〜1,500万円程度の手元資金が残る状態が理想です。
銀行は、「この人が返せるか」だけでなく「この物件なら返せるか」を必ず見ています。
首都圏の新築木造一棟アパートでは、東京で表面利回り5%前半〜、
神奈川など賃貸需要の強いエリアで6.0〜6.8%前後が一つの目安です。
また銀行は、表面利回りだけでなく、空室率や運営費を織り込んだ実質返済余力を見ています。
駅距離、エリア特性、平坦地かどうか、そして土地の評価額が非常に重要です。
将来売却時に、土地として一定の価値が見込めるかどうかは、銀行にとって大きな安心材料になります。
代表的な指標が以下です。
返済比率
年間返済額 ÷ 年収
→ 30〜35%以内が一つの目安
返済余裕率(DSCR)
税引前キャッシュフロー ÷ 年間返済額
→ 1.2以上あると評価されやすい
これらが整っているほど、融資判断は前向きになります。
1棟目は、属性と物件が良ければ実績ゼロでも通る可能性があります。
しかし2棟目以降は、「1棟目をきちんと運営できているか」が厳しく見られます。
空室が長期化していないか、無理な家賃設定になっていないか、
投資家として適切な判断ができているか。銀行は、そこまで見ています。
今日のテーマは「1億円以上の物件でフルローンが通る条件」でした。
しかし、本当にお伝えしたいのは、フルローンで借りられるかどうかより、借りて利益が残るかの方が何倍も大事ということです。
フルローンはゴールではありません。
少し自己資金を入れて返済額を抑え、長期で安定したキャッシュフローを積み上げることこそが、不動産投資の本質です。
もし今回の内容を見て、
「自分はいくらまで融資が組めるのか」
「どんな物件が合うのか」
と気になった方は、ぜひ一度ご相談ください。
不動産投資は、正しい順序と判断が何より重要です。
当社では新築アパート投資に関する無料の個別相談および会員登録を随時受け付けております。
物件情報や融資相談など、投資家様一人ひとりの状況に合わせたご提案を行っておりますので、ご興味のある方はぜひお気軽にお問い合わせください。