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「区分マンションから始めても大丈夫でしょうか」
「資産管理法人をつくったほうが有利だと聞きましたが、実績のない法人で融資は下りるのでしょうか」
不動産投資を検討されている方から、当社にはこうしたご質問が数多く寄せられます。
いずれも一般論としての答えは見つかるものの、実際の融資審査の現場でどう扱われているのかまでは分かりにくいテーマです。
そこで今回は、視聴者の皆様から実際に届いたご質問のうち、特に多くいただいた5つに、融資の現場に携わってきた立場からお答えしました。
最も多くいただくご質問が、「まずは金額の小さい区分マンションから始めたい」というものです。
不動産投資の対象には、区分マンション、一棟アパート・一棟マンション、戸建てなど、いくつかの種類があります。この中で、毎月の手残り(キャッシュフロー)が残りにくいのが区分マンションです。
これが3年前、5年前であれば事情は違いました。当時は価格自体が今より低く利回りも高かったため、区分マンションでも手残りが出るケースがありました。しかし現在は価格が上昇し続けており、同じ考え方で購入しても手残りが残りにくい状況です。
ここで問題になるのが、次の融資です。手残りの残らない物件を保有している状態は、金融機関から見ると借入残高だけが積み上がって手元資金が増えていない状態と評価される可能性があり、「小さく始めたつもり」がその後の一棟物件への融資余力に影響してしまうことがあります。
区分マンションそのものを否定するわけではありませんが、最終的にどの規模まで資産を拡大したいのかを先に決めたうえで、その1棟目として適切かどうかを判断することが重要です。
2つ目のご質問は、資産管理法人での購入についてです。
「資産管理法人はいわゆるペーパーカンパニーで、事業の実態がない。そんな法人で融資を受けられるのだろうか」という不安をお持ちの方は非常に多くいらっしゃいます。
結論から申し上げると、資産管理法人だから融資が受けられない、ということは基本的にありません。
資産管理法人は設立した時点では当然なんの実績もなく、代表者はご自身か配偶者の方になります。
ただし、最初に不動産投資に取り組む段階では、個人で購入する場合も資産管理法人で購入する場合も、基本的には個人の属性が審査の中心になります。
そして資産管理法人として物件を保有し、決算を重ねて実績を積んでいくと、「個人属性+法人の実績」という形で評価が上乗せされ、その後の融資が受けやすくなる可能性が広がってきます。
資産管理法人が話題になる理由の多くは、税金の取り扱いにあります。不動産投資にかかる税金は、大きく2つに分けて考えると整理しやすくなります。
1つ目は、家賃収入に対しての税金です。
個人で購入した場合は、給与所得などと合算した所得税率に応じて納税することになります。たとえば年収1,000万円の方であれば所得税率は33%、1,800万円を超える場合はさらに税率が上がります。
2つ目は、売却時にかかる譲渡税です。
譲渡税は個人と資産管理法人で取り扱いが異なります。
個人の場合は保有期間によって扱いが変わり、保有5年未満での売却は約39%、5年超であれば約20%と、およそ2倍の差が生じます。
一方、資産管理法人には保有期間という考え方がないため、一律で約20%となります。
不動産を短期で売却する場面はそう多くありませんが、仮にそうした判断が必要になった場合には、資産管理法人のほうが有利にはたらく可能性があります。
一方で、資産管理法人には設立時の費用に加えて、毎年、税理士に決算を依頼する費用というランニングコストが発生します。
そのため「法人にしたほうが必ず有利」と考えるのではなく、得られる税務上のメリットが、毎年発生するランニングコストを上回るのかという視点で見極める必要があります。
保有する物件の規模や本業の所得によって損得の分岐点は変わりますので、設立ありきで進めず、具体的な数字で比較することをおすすめします。
資産管理法人のメリットとしてよく挙げられるのが、勤務先の副業規定への対応です。
勤務先の規定により不動産投資に取り組みにくいケースもありますが、その場合、配偶者の方を資産管理法人の代表者とすることで取り組めることもあります。
また、配偶者の方がお仕事をされていない場合、その法人の代表者となって基礎控除の範囲内で役員報酬を受け取る形にすることで、納税の負担を抑えられるケースもあります。
ただし、副業規定の解釈は勤務先によって異なります。実際に進める際は、就業規則の内容を必ずご確認ください。
ここからは、複数棟の保有を視野に入れている方から多くいただく、買い進め方に関するご質問です。
「融資相談をしたところ、思っていたより大きな金額を借りられそうだった。であれば、同時に複数棟を購入できないか」というご質問です。
これは金融機関のスタンスによって変わります、というのが回答になります。
お客様の属性は会社員の方、相続対策の方、事業法人の代表者の方などさまざまで、それぞれ相性のよい金融機関が異なります。
最も多い会社員属性の方に積極的な金融機関としては、オリックス銀行やスルガ銀行などが挙げられます。ただしこの2行は基本的に、まず1棟目を購入して実績を積んでいただき、そのうえで2棟目の融資に進むという堅実な考え方をとっています。
同時に複数棟となると、年収に加えて金融資産も8,000万円以上といった、かなり高い属性が求められる場合があります。そこまでの属性であれば「1億円の物件2棟であれば同時に購入しても構いません」と判断される可能性はあります。
どうしても複数棟を同時に進めたい場合は、地方銀行や信用金庫のほうが柔軟なケースが多くなります。その代わり、頭金を多めに求められる可能性があります。
1棟にまとめる方も、複数棟に分けたい方もいらっしゃいますが、どちらが可能かは金融機関によって変わる、という点を押さえておきましょう。
1棟目を購入すると、すぐに2棟目を検討したくなるものです。しかし金融機関の一般的な考え方は、まずは1棟目の運営実績を確認したい、というものです。
会社員属性の方が利用されることの多いオリックス銀行やスルガ銀行では、購入からおよそ6ヶ月間は実績を確認したうえで2棟目の融資に進む、というケースが多くなっています。
一方、信用金庫では、頭金を入れて購入されている場合で、かつ1棟目購入後も金融資産が豊富に残っている方であれば、間を空けずに2棟目に進めることもあります。
金融機関によって異なりますが、一般的には半年程度の実績を見られるケースが多いと考えておくとよいでしょう。
年齢に関するご質問も非常に多くいただきます。一般的に60歳前後で本業の収入が下がり、その後は年金が中心になることを考えると、返済が続けられるのかという不安はもっともです。ここも属性によって考え方が分かれます。
会社員属性の方の場合、オリックス銀行とスルガ銀行の2行は完済年齢を84歳まで見てくれます。最長35年という融資期間がベースにありますので、84歳から35年を差し引くと、49歳までであれば35年間の融資を受けられる計算になります。
また、近年は日本保証がアパートローンに積極的で、日本保証と連携して融資を行う銀行が増えてきています。たとえば群馬の第二地方銀行である東和銀行や、香川銀行では、完済年齢を90歳まで見るケースがあります。融資期間も最長40年となるため、オリックス銀行・スルガ銀行の35年で考えると、55歳までは35年間の融資を受けられる可能性が出てきます。
地方銀行や信用金庫では対応が分かれますが、返済完了時の年齢が高くなる場合でも30年程度の融資が可能なことがあり、次の世代へ相続される前提で長期の融資に応じてくれるケースもあります。
不動産投資では、融資期間が長いほど毎月の手残りは増えます。金利が上昇局面にある現在は、35年の融資を組める金融機関を選べることが有利にはたらくと言われています。
ただし注意点があります。35年、30年、40年といった条件は、不動産会社がその金融機関とどのような内容で提携しているかによって、同じ金融機関でも大きく変わります。同じ銀行でも、どこを通して申し込むかで条件が変わり得るということです。
今回いただいた5つのご質問を振り返ると、いずれも共通するポイントがあります。
それは、目の前の1棟を「買えるかどうか」ではなく、その1棟が次の融資につながるかどうかという視点です。
手残りの残らない物件を選んでも、法人化のコストを回収できなくても、2棟目を急いで金融機関の信頼を得られなくても、資産形成のスピードは落ちてしまいます。逆に言えば、1棟目の選び方と進め方を押さえておけば、その後の選択肢は大きく広がります。
なお、金融機関の融資基準や評価方法は一律ではなく、投資家の属性、物件、金融機関ごとに異なります。
本記事に記載した年齢・期間・税率などの条件も、時期や個別の状況によって変わる可能性があります。実際に投資を進める際には、具体的な条件を確認したうえで慎重に判断することをおすすめします。
私の不動産投資とお客機に対しての向き合い方は、物件購入がゴールでは無いということ。
お客様のご資産背景等により最適な物件は異なりますので、メリット・デメリットをしっかりお伝えして、最適のご提案をさせて頂きます。土地仕入→建築→販売→賃貸仲介→管理の一貫体制だからこそ、実現できる安定した不動産経営をご提案させて頂きます。