【融資戦略】年収1,000万円の会社員が、手堅くアパート2棟を買う方法を解説|神奈川の不動産投資、新築アパート経営は横濱コーポレーション

【融資戦略】年収1,000万円の会社員が、手堅くアパート2棟を買う方法を解説

「1棟目は問題なく買えたのに、2棟目で銀行に断られてしまった」

こうしたご相談は少なくありません。そして原因のほとんどは、2棟目の物件ではなく1棟目の買い方にあります。

今回は、45歳・会社員・年収1,000万円・金融資産3,000万円という方が、手堅くアパート2棟を持つまでの進め方を、使う銀行の順番と数字で追いかけます。

結論から言うと、この条件であれば2〜3年で2棟目の購入に届きます。ただしやり方を間違えると、同じ人が同じ物件を買っても9年から10年かかることがあります。この6年の差がどこで生まれるのかまでご覧ください。

なぜ会社員の到達点は「まず2棟」なのか

「5棟、10棟と買い増していく」という話をよく見かけますが、今、会社員の方がそのペースで買い進めていくのは基本的に難しいとお考えください。

以前はそれができました。1棟購入して家賃の手残りを貯め、溜まったら次を買う。雪だるま式の増やし方です。

しかし今は金利が上がり、それに伴って物件価格も上がって利回りが下がっています。この2つが同時に起きているため、入りが減って出が増えている状態です。

1棟あたりの手残りが以前よりだいぶ少なくなっているので、次の頭金が溜まるスピードも遅くなります。以前と同じ考え方で買い進めようとすると、どこかで止まります。

会社員の方が無理なく届く最初の到達点が、まずは2棟です。そしてここに何年でたどり着けるかで、その後がまったく変わってきます。

2棟目に届くまでの3つの関門

そもそもアパートローンを積極的に出している銀行はそれほど多くなく、会社員の方が現実的に使えるのは数えるほどです。その中で軸になるのが次の2行です。

  • ・オリックス銀行:主に年収を見る
  • ・スルガ銀行:金融資産と債務総額のバランスを見る

この性格の違いが、そのまま買う順番に効いてきます。

1.オリックス銀行の融資枠

オリックス銀行は年収ベースで枠を決める銀行です。目安は年収の10倍。これが一般的な不動産会社との提携枠になります。

弊社ではここに、物件の年間賃料収入の70%を加算した金額も枠として加えることができます。例えば年収1,000万円の方が家賃収入672万円の物件を検討する場合、枠はおよそ1億4,700万円になります。

ただ枠は無限ではありません。同じ1億円クラスの物件をもう1棟購入しようとすると、年収ベースの枠では足りなくなります。規模を落とせばオリックス銀行で2棟目を購入するケースもありますが、そこは条件次第です。

後ほど数字でお見せしますが、2棟目にはスルガ銀行のほうが金利も手数料も条件がよくなります

2.スルガ銀行の資産要件

スルガ銀行は年収ではなく、金融資産に対して融資するという考え方の銀行です。まず入り口として金融資産3,000万円程度が求められます。

その上で判断されるのが、既存のローンと新規の融資残高、つまり合計の債務総額です。基本的には債務総額の1割よりも、物件を買った後に残る金融資産が多いことが条件になります。

重要なのは、買う前ではなく買った後の金額で判断される点です。債務総額が1億7,000万円であれば、購入後に約1,700万円以上残っていないと取り組みが難しくなります。

1棟目で現金を使いすぎると、ここで直接引っかかります。2棟目に進むスピードは、金融資産をどれだけ維持できるかで変わります。

3.年齢と融資期間

融資期間は金融機関ごとに上限年齢が定められています。オリックス銀行とスルガ銀行は完済年齢84歳が設定されているため、84歳から建物完成時の年齢を引いた年数が上限になります。

45歳であれば39年あるので35年フルで組めます。しかし50歳になると35年フルでは組めません。

融資期間が短くなると借りられる金額が減り、減った分は自己資金で埋めることになります。つまり2棟目を後回しにすればするほど、必要な自己資金が増えていくのです。

モデルケースで見る買い進め方

1.1棟目(45歳)オリックス銀行のフルローン

1棟目にはオリックス銀行をおすすめします。現状で金利2.5%。政策金利の上昇を考えるとさらに上がることもあり、金利だけで見れば決して安くはありません。

それでも1棟目に選ぶ理由が2つあります。

  • ・フルローンを使える(1億円の物件なら1億円丸ごと借りられ、手元の現金がほとんど減らない)
  • ・求められる金融資産のハードルが低い(目安2,000万円以上。スルガ銀行の3,000万円程度より低い水準から始められる)

想定する物件と収支は次のとおりです。

  • ・物件価格 1億円/満室家賃 672万円
  • ・空室率2%で実際に入るのが約659万円
  • ・運営費(管理費・固定資産税・清掃・消防など)年117万円
  • ・年間返済 429万円
  • ・手残り 年113万円(月およそ9万4,000円)

正直、1棟目はこれぐらいです。ただ、このとき手元がどうなっているかが重要です。

自己資金は諸費用約370万円と事務手数料110万円を合わせて480万円。3,000万円のうち480万円しか使っていないので、手元には約2,520万円が残ります

この2,520万円が2棟目の切符につながります。手残りが月10万円弱でも、次に進むための現金が多めに残っている。ここが1棟目の合格ラインです。

2.2棟目(48歳)スルガ銀行

手元の2,520万円に、家賃の手残り113万円と給与からの貯蓄100万円を積み上げると年間およそ213万円。3年で手元は3,158万円になります。

2棟目は8,000万円クラス、満室想定538万円の物件を想定します。1棟目で借入と資産を使っているため、同じ規模をもう1棟というのは簡単ではありません。規模を落として確実に2棟目に進む。これが手堅いやり方です。

使う銀行はスルガ銀行。金利は政策金利が上がった後で2.4%の水準です。なお弊社の提携内容では、横浜市・川崎市の物件で、かつ弊社が新築物件の売主であれば金利2.15%に優遇されます。どの業者の提携ローンを使うかで金利が変わる点も押さえておいてください。

融資額は収益還元法での評価で6,952万円、自己資金は1,382万円ほど必要です。手元3,158万円から1,382万円を出すと、購入後に約1,776万円が残ります。

債務総額は1億6,952万円なので、その1割にあたる1,695万円を上回る計算になり、スルガ銀行の融資条件をクリアできます。ただ、本当にギリギリです。だからこそ1棟目で現金を多めに残しておく必要がありました。

この「3年」は逆算の答えでもあります。2年後だと手元は2,945万円で、入り口の3,000万円に55万円ほど届きません。3年後の3,158万円で初めて入り口を超え、買った後の1割もギリギリ残せる。つまり3年は、2つの融資条件を初めて両方クリアできるタイミングなのです。

逆に言えば、この3年の間に大きな出費で現金を減らすと、2棟目はそのまま後ろにずれていきます。予定どおりに現金を積むことも計画の一部です。

3.10年後(55歳)に残るもの

10年で累計約2,180万円が手元に残り、現金も約4,320万円まで戻っています。そして2棟の物件がそのまま残っている。ローンは入居者からの家賃が返し続けてくれているので、残債も確実に減っています。

この4,320万円は「余力」です。大きな修繕が来ても慌てない。空室が続いても耐えられる。手堅く進めるというのは、この余力を使い切らないということです。

ただし現金が4,320万円あるからといって、それだけで3棟目が出るとは限りません。まずは2棟を安全に回しきること。3棟目はその時点の残債、年収、金融資産、金融機関の条件を改めて見て判断する話になります。

手残りを全部使ってしまえば次には進めません。どの時点でも手元に現金が残り続けていること。ここが最も大事な点です。

最も多い失敗|金利だけを見て順番を逆にする

最も多い失敗は、金利の安い金融機関を使おうとして、その代わりに自己資金を大きく使ってしまうケースです。

1棟目の数字だけを見れば、確かによく見えます。同じ1億円の物件をスルガ銀行の金利2.15%で購入すると、年間返済額は約354万円。オリックス銀行より75万円少なくなります。手残りは年188万円、月15万7,000円ほどで、月あたり約6万円以上の差です。

しかしスルガ銀行は収益還元法で評価するため、この物件の評価が8,690万円だとすると、価格1億円との差1,310万円は自己資金で準備する必要があります。諸費用と合算すると自己資金は約1,728万円。手元に残るのは1,272万円です。

ここで関門②を思い出してください。スルガ銀行が見るのは購入後に残る金融資産です。つまり、1番大事な数字を先に使ってしまっていることになります。

手元1,272万円から、手残り188万円と給与の貯蓄100万円で年288万円ずつ戻していく。それでも入り口の3,000万円に戻るだけで約6年。買った後に債務総額の1割を残せる状態になるのは9年後、54歳です。

しかも待っている間に関門③の年齢が来ます。54歳で購入しようとすると融資期間が35年ではなく30年に短くなり、融資額は5,959万円まで落ちます。48歳なら6,952万円だったので約1,000万円少ない。必要な自己資金は2,370万円となり、48歳のときより988万円多く必要になります。

待っている間に、ゴールのほうが遠ざかっているわけです。しかもご本人は「金利の安いいい条件で1棟目を買った」と思っている。ここを間違えると6年が消えてしまいます。

銀行の順番だけでは成立しない|利回りと空室率

オリックス銀行は金利が高いため、利回りの低い物件を買ってしまうと手残りがほとんど出なくなります。

今回の物件は利回り6.72%で手残りが約113万円でした。もし利回り6%の物件だったら、手残りは年55万円、月4万6,000円を切ります。0.7%の差で半分以下です。

借入が1億円あると、利回り0.7%は年58万円にあたります。手残りが55万円しかなければ、次の自己資金は給与でしか作れず、2棟目までの時間が一気に伸びます。

利回りが高い物件には、高くなっている理由があります。賃貸需要が弱い、駅から遠い、坂の上といった立地の難。あるいは想定家賃が周辺相場より高く設定されている。表面利回りはあくまで満室を前提にした数字なので、その理由を見ていく必要があります。

利回りと空室率を組み合わせると、こうなります。

  • ・利回り7.5%/空室率15% → 手残り 78万円
  • ・利回り6.72%/空室率2% → 手残り 113万円
  • ・利回り6%/空室率15% → 手残り △23万円(赤字)

利回りで0.8%勝っていても、空室率で13%負ければ逆転します。

空室率の見方は大きく2つです。

  • ・想定家賃が周辺の相場とずれていないか(売り出し資料の家賃ではなく、周辺で実際に決まっている家賃と比較する)
  • ・そのエリアの入居需要そのもの(単身者が多いのか、駅までの動線はどうか。資料だけでは分からない部分)

今回は空室率を2%で計算しました。低い数字に見えるかもしれませんが、弊社の実際の運営実績をもとにした数字です。自社でアパマンショップを運営しており、どのエリアでいくらの家賃なら決まるのかという現場のデータが、物件の企画段階から入っています。作る側と埋める側の両方をやっているため、利回りと空室率をセットで組み立てられる。ここが今回お話しした順番が成立する前提になっています。

まとめ|1棟目は「2棟目に届く買い方」で選ぶ

45歳で1棟目、48歳で2棟目、55歳で累計約2,180万円と手元現金約4,320万円。これが今回のモデルケースの到達点です。

要点は3つです。

  • ・1棟目はオリックス銀行のフルローンで現金を残す
  • ・条件のいいスルガ銀行は2棟目に取っておく
  • ・その順番に耐えられる物件を選ぶ(利回りと空室率をセットで見る)

1棟目を1番得に買うのではなく、2棟目に届く買い方を選ぶ。それが手堅く2棟を持つということにつながります。

なお今回は、年齢・年収・金融資産が2棟購入においてギリギリのラインのケースを取り上げました。元から金融資産や年収に余裕がある方であれば、1棟目・2棟目ともスルガ銀行という選択も出てきます。スルガ銀行は収益還元で物件評価されるため基本的にフルローンは出ませんが、物件によっては評価額が伸びているものもあります。

なお、本記事の金利・融資条件・収支は動画公開時点のモデルケースであり、収益を保証するものではありません。
金利や融資条件は時期やご本人の属性によって変わります。実際のご検討にあたっては、対象物件ごとに具体的な条件をご確認のうえ慎重にご判断ください。


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【この記事の執筆者】
清野 淳
清野 淳 / 専務取締役
保有資格:宅地建物取引士・不動産コンサルティングマスター・賃貸不動産経営管理士・AFP・簿記2級・小型船舶免許

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