「居住サポート住宅」にすると税金は軽くなる?国交省の2027年度税制改正要望をアパートオーナー向けに整理【更新】 | 神奈川の不動産投資、新築アパート経営は横濱コーポレーション

  • 「居住サポート住宅」にすると税金は軽くなる?国交省の2027年度税制改正要望をアパートオーナー向けに整理

    横濱コーポレーションのスタッフブログをご覧いただき、ありがとうございます。

    「高齢の方から入居の申し込みがあったけれど、もしものときが心配で迷っている」「最近よく聞く『居住サポート住宅』は、大家にとって何が変わるのか」というご相談をいただくことがあります。

    2025年10月に改正住宅セーフティネット法が施行され、見守りや福祉サービスへのつなぎが付いた賃貸住宅を自治体が認定する「居住サポート住宅」の制度が始まりました。さらに国土交通省は、2027年度(令和9年度)の税制改正要望の中で、この居住サポート住宅に新しい減税をつくることを求めています。

    今回は、居住サポート住宅の仕組みと認定の条件、国交省が要望している減税の中身、いまの新築アパートの税の軽減との違いを、アパートオーナー・土地オーナーの方向けに整理します。減税はまだ「要望」の段階で、決まったものではない点にご注意ください。

    本題に入る前に、当社で実際にアパート経営をされているオーナー様の声もぜひご参考ください。

    ご契約いただいたお客様の声

    居住サポート住宅にすると税金は軽くなる?国交省の2027年度税制改正要望をアパートオーナー向けに整理

    1. 居住サポート住宅とは?

    居住サポート住宅は、居住支援法人などが大家さんと連携して、入居中のサポートを行う賃貸住宅です。法律上は「居住安定援助賃貸住宅」という名前で、2025年10月1日に施行された改正住宅セーフティネット法でつくられました。

    サポートの中身は、次の3つが基本です。

    居住サポート住宅の3つのサポート
    1. 安否確認 1日1回以上、センサーなどの通信機器や訪問で確認する
    2. 見守り 月1回以上、訪問などで心身や生活の様子を把握する
    3. 福祉サービスへのつなぎ 生活や体調が不安定になったときに、行政や福祉サービスの窓口につなぐ

    ※国土交通省・厚生労働省「居住サポート住宅認定制度 認定申請解説書」(令和7年9月)をもとに当社で要約。

    サポートを担うのは、居住支援法人のほか、社会福祉法人、NPO法人、管理会社なども可能とされています。認定するのは国ではなく、福祉事務所を置いている市区町村など(都道府県または市区町村)です。

    背景にあるのは、単身の高齢者などが増える一方で、大家さん側に「孤独死」「亡くなったあとの残置物の処理」「家賃の滞納」への不安があり、入居をためらうケースが多いことです。居住サポート住宅は、こうした不安を見守りの仕組みで和らげ、住まいを探している方と大家さんの双方が安心できるようにすることを目指しています。

    2. 認定を受けるための主な条件は?

    認定の条件は、大きく「建物(ハード)」「サポート(ソフト)」「事業の計画」の3つに分かれています。アパートオーナーの方が特に確認しておきたい点をまとめました。

    居住サポート住宅の主な認定基準
    床面積 1戸あたり、新築は原則25㎡以上、既存(築1年以上など)は原則18㎡以上
    ※共用部分に台所・収納・浴室などがある場合の緩和や、自治体による基準の強化・緩和もあります
    構造・設備 耐震性があること。台所・トイレ・浴室などがあること
    家賃 近くの同じような賃貸住宅と比べて、つり合いがとれていること
    サポートの費用 内容や頻度に比べて、不当に高くないこと
    専用住宅 3つのサポートすべてが必要な方(要援助者)に入居者を限る「専用住宅」を、1戸以上設けること

    ※国土交通省・厚生労働省「居住サポート住宅認定制度 認定申請解説書」(令和7年9月)をもとに当社で要約。

    ここで押さえておきたいのは、アパートの全部屋を専用住宅にする必要はないという点です。専用住宅は1戸以上あればよく、残りの部屋は入居者を限定しない「非専用住宅」として運用できます。非専用住宅の入居者には、3つのサポートの提供は必須ではありません。また、専用住宅にする部屋は固定する必要がなく、入居状況に応じて変えられます。

    一方で、専用住宅に入れるのは、安否確認・見守り・福祉サービスへのつなぎの3つすべてが必要な方(例えば、見守りが必要な単身の高齢者など)とその同居の家族に限られます。サポートを受けるかどうかは、大家さんから入居希望者に提案し、本人との合意で決めるのが基本とされています。

    3. 国交省が要望している新しい減税の中身は?

    国土交通省は2026年8月に公表した「令和9年度税制改正要望事項」の中で、居住サポート住宅について、次の減税を3年間(2027年4月1日〜2030年3月31日)の措置として新しくつくることを求めています。

    居住サポート住宅の減税(国交省の要望内容)
    不動産取得税(建物) 課税標準から一定額を控除。新築住宅は1戸あたり1,200万円、既存住宅は建てた年に応じた額
    不動産取得税(土地) 税額から一定額を減額(150万円、または建物の床面積の2倍〈200㎡が上限〉にあたる土地の価格の、いずれか大きい額に税率をかけた額)
    固定資産税 認定後2年間、税額の3分の2を減額
    対象の限定 入居資格を日常生活の援助が必要な住宅確保要配慮者などに限る、など一定の要件を満たすものに限る。土砂災害などの「災害レッドゾーン」などに新築したものは対象外

    ※国土交通省「令和9年度税制改正要望事項」(令和8年8月)をもとに当社で要約。要望の段階であり、内容や実施の有無は確定していません。

    要望書の記載からは、入居者を援助が必要な方に限った住戸を中心に減税することが想定されているように読めます。アパート1棟のうち、どの部屋が対象になるのか、床面積などの細かな条件はどうなるのかは、税制改正の内容が決まった段階で確認が必要です。

    4. いまの新築アパートの税の軽減と、何が違う?

    実は、新築住宅の不動産取得税には、いまも「1戸あたり1,200万円を控除する」軽減があります。ただし、床面積の条件があります。

    いまの新築住宅の不動産取得税の軽減(神奈川県の案内より)
    控除額 住宅の価格から1戸につき1,200万円
    床面積 上限は240㎡。下限は、2026年3月31日までの取得は50㎡(戸建て以外の貸家は1戸40㎡)、2026年4月1日以後の取得は40㎡
    サービス付き高齢者向け住宅 一定の要件を満たすものは1戸30㎡以上160㎡以下(2027年3月31日までの新築)

    ※神奈川県「新築の場合の軽減措置」(不動産取得税)をもとに当社で要約。個別の適用は、物件の所在地を管轄する県税事務所でご確認ください。

    つまり、1部屋25㎡前後の単身者向け1Kアパートは、いまの新築住宅の軽減では床面積が足りず、対象にならないことが多いのです。固定資産税の新築住宅の減額にも床面積の条件があり、1Kの部屋は対象外になる場合があります。

    居住サポート住宅の認定基準は「新築は原則25㎡以上」なので、もし要望どおりの減税が、この基準を満たす住戸に適用される形で決まれば、単身者向けの新築アパートでも不動産取得税や固定資産税が軽くなる道が開ける可能性があります。ただし、前の章のとおり減税の床面積の条件はまだ公表されておらず、ここは今後の決定を待って確認する必要があります。

    5. 大家さんにとっての安心材料と、注意したいこと

    減税はまだ決まっていませんが、居住サポート住宅には、すでに次のような仕組みが用意されています。

    いま使える主な仕組み
    1. 家賃債務保証を原則断らない保証会社
    国土交通大臣が認定した家賃債務保証業者は、居住サポート住宅に入居する要配慮者の家賃債務保証を原則として断らないこととされています。
    2. 家賃の代理納付
    生活保護を受けている方が入居する場合、原則として自治体から大家さんや管理会社に、家賃にあたる住宅扶助費などが直接支払われます。
    3. 改修費などの補助
    既存の住宅をバリアフリーや耐震のために改修する場合などに、補助制度があります(国の直接補助は補助率3分の1、1戸あたり国費50万円が上限など)。補助を受けた住宅は、原則10年間、要配慮者向けの住宅として管理する必要があります。

    ※国土交通省「住宅セーフティネット制度」のページ、居住サポート住宅の事業者向けパンフレットをもとに当社で要約。補助の内容は年度や自治体によって変わるため、所在地の自治体でご確認ください。

    一方で、注意しておきたいこともあります。

    1. サポートの担い手と費用を先に決める
    毎日の安否確認や月1回の見守りを、どの居住支援法人や管理会社が、いくらで行うのかを決めておく必要があります。サポートの費用が入居者にとって負担になりすぎないことも、認定の条件です。
    2. 家賃は周りの相場とつり合いをとる
    減税があっても、家賃を周りの相場より高く設定することは認定の条件に合いません。収支は、相場どおりの家賃で考えます。
    3. 減税だけで判断しない
    減税は要望の段階で、決まったとしても期間は限られています(固定資産税は認定後2年間の要望)。立地の賃貸需要、入居者の層、管理の手間を含めて、長い目で成り立つかどうかを考えることが大切です。
    4. 税の扱いは専門家に確認する
    実際にどの税がいくら軽くなるかは、建物の内容や取得の時期によって変わります。個別の判断は、税理士や県税事務所・市区町村の窓口にご確認ください。

    居住サポート住宅を含む住宅セーフティネット制度の詳しい内容は、国土交通省のページで確認できます。

    住宅セーフティネット制度(国土交通省)

    6. 減税はいつ決まる?いつから?

    国の税制改正は、例年、各省庁が夏に要望を出し、12月中旬ごろに与党の「税制改正大綱」で方針が決まり、翌年の国会で法律が改正される流れです。今回の要望が認められた場合、開始は2027年4月1日からが予定されています。

    今後の主なスケジュール
    2025年10月1日 改正住宅セーフティネット法の施行(居住サポート住宅の認定制度が開始)
    2026年8月 国土交通省が令和9年度税制改正要望を公表
    2026年12月中旬ごろ(例年) 与党の税制改正大綱で、認めるかどうか・内容が決まる
    2027年4月1日〜2030年3月31日 要望どおりなら、この期間の措置として実施

    同じ要望書では、工事請負契約書の印紙税の軽減や、土地の不動産取得税の特例(2027年3月31日が今の期限)を3年延長することも求められています。これらも12月の大綱で扱いが決まる見込みです。当社では、内容が決まった段階で、この記事にも追記する予定です。

    7. 当社ではどう考えている?

    国土交通省も、単身世帯の増加で高齢者などの賃貸住宅へのニーズが高まる見込みであることを制度改正の背景に挙げています。見守りの仕組みがある賃貸住宅は、住まいを探している方にとっても、大家さんにとっても、選択肢の一つになっていくと当社は考えています。居住サポート住宅は、全部屋を専用にしなくてもよく、入居状況に合わせて運用できる柔軟な制度でもあります。

    一方で、制度はまだ始まったばかりで、減税も決まっていません。減税があるかどうかより先に、その立地で長く入居者に選ばれるか、サポートの体制を無理なく続けられるかを確かめることが大切です。

    当社は神奈川エリアで新築アパートを企画・建築し、管理までを一貫して行っています。アパートの空室や家賃、収支は、立地や建物、金利、制度の変更などによって変わり、当社が将来の収益や税の効果をお約束することはできません。これからの制度の動きも含めて、土地活用やアパート経営について一緒に考えたい方は、お気軽にご相談ください。

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    8. よくある質問

    Q居住サポート住宅の認定は、どこが行いますか?
    A福祉事務所を置いている都道府県や市区町村が認定します。自治体ごとに独自の基準や申請書類を設けている場合があるため、申請の前に物件の所在地の自治体に確認してください。
    Qアパートの全部屋を居住サポート住宅にする必要がありますか?
    A必要ありません。入居者を見守りなどが必要な方に限る「専用住宅」を1戸以上設ければよく、残りの部屋は入居者を限定しない住宅として運用できます。専用住宅にする部屋は、入居状況に応じて変えることもできます。
    Q居住サポート住宅の減税は、もう使えますか?
    Aまだ使えません。国土交通省が令和9年度税制改正で新しくつくるよう要望している段階で、例年12月中旬ごろの与党税制改正大綱で認めるかどうかが決まります。要望どおりなら2027年4月1日から2030年3月31日までの措置になる予定です。
    Q1Kの新築アパートでも、居住サポート住宅の認定を受けられますか?
    A新築の場合、1戸あたりの床面積は原則25㎡以上が基準です。このほか、耐震性や設備、家賃、見守りなどのサポート体制の条件を満たす必要があります。自治体が基準を強化・緩和している場合もあるため、所在地の自治体で確認してください。

    ※本記事は、国土交通省「令和9年度税制改正要望事項」(令和8年8月)、国土交通省・厚生労働省「居住サポート住宅認定制度 認定申請解説書」(令和7年9月)、国土交通省「住宅セーフティネット制度」のページ、神奈川県「新築の場合の軽減措置」(不動産取得税)をもとに当社で作成しました(2026年11月6日時点)。税制改正の要望は確定したものではありません。


    ページ作成日 2026-11-06

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