「東京23区の一棟アパートなら、資産価値も安定している」
不動産投資を検討する際、このように考える方は少なくありません。
確かに東京23区は、日本有数の賃貸需要を持つエリアです。
しかし、「23区にある」というだけで、一棟アパート投資が成功するわけではありません。
特に2026年現在は、金利上昇による融資環境の変化もあり、これまで以上に「銀行評価」「賃貸需要」「出口戦略」を総合的に確認することが重要です。
今回は、約700棟のアパート投資に携わってきた実務経験をもとに、東京23区で一棟アパートを購入する際に特に注意したい6つのエリア・条件を解説します。
※ここで挙げるエリアそのものが「投資NG」という意味ではありません。
重要なのは、エリアと物件条件の組み合わせです。
目次
まず、物件を見る際には次の3点を確認してください。
高利回りでも、銀行から融資を受けにくければ購入できません。
また、入居者が集まらなければ家賃収入が安定せず、最終的に売却しようとしても次の買い手が融資を組めない可能性があります。
つまり、「買えるか」だけではなく、「運用できるか」「売れるか」まで考えることが重要です。
江戸川区は比較的家賃が手頃で、住宅地としての人気もあります。
一方で、エリアによっては水害リスクへの注意が必要です。
特に小松川・平井周辺などで、駅から距離があり、さらに木造一棟アパート・狭小な単身者向け間取り・水害ハザードリスクといった条件が重なる場合は慎重に判断したいところです。
銀行は物件の収益性だけでなく、担保としての評価や将来的な売却可能性も考慮します。
「23区だから融資も安心」と考えるのではなく、駅距離・ハザード・間取り・賃貸需要をセットで確認することが重要です。
葛飾区には、柴又や水元、金町周辺など、住宅地として魅力のあるエリアがあります。
ただし、ここで注意したいのが、「住みやすい街」と「単身者向けアパート投資に適した街」は必ずしも同じではないという点です。
ファミリー層が重視する住環境と、単身者が重視する駅距離・都心アクセス・生活利便性には違いがあります。
そのため、ファミリー需要が中心の地域で、駅から遠い狭小な単身向けアパートを建築し、高い賃料を前提に収支を組む場合は注意が必要です。
足立区は23区の中でも比較的取得価格を抑えやすく、高利回りの一棟アパートが見つかることがあります。
しかし、「利回りが高い=お買い得」とは限りません。
駅から遠い単身向け物件では、入居者募集のために広告料を増やしたり、フリーレントを設定したりするケースがあります。
その結果、販売資料上の表面利回りと、実際の手残りに差が生じることもあります。
不動産投資では「なぜ、この物件はこの利回りなのか?」を考えることが重要です。
高島平、新高島平、西高島平周辺も、駅名や都営三田線沿線という情報だけで判断しないことが重要です。
同じエリア内でも駅ごとに利用者数や賃貸需要には差があります。
また、大規模団地や既存賃貸住宅が多い場所では、競合物件との比較も必要です。
特に、新築だから高い家賃を取れるという前提で収支を組んでいないかを確認しましょう。
駅単位で賃料相場を調べ、「その物件だから選ばれる理由」があるかを見ることが大切です。
台東区は上野・浅草など都心へのアクセスに優れ、賃貸需要も期待できるエリアです。
一方で、北部の一部には木造住宅が密集する地域があり、防災面で注意が必要な場所もあります。
不動産投資では、賃貸需要だけでなく、地震や火災などのリスクも確認しなければなりません。
こうしたリスクは、物件の担保評価や将来的な買い手の付きやすさにも影響する可能性があります。
練馬区は住環境が良く、ファミリー層から人気の高いエリアです。
しかし、こちらも「住みやすい街=単身向け一棟アパート投資に適している」とは限りません。
西武線沿線の駅から遠い場所では、単身者がそのエリアを選ぶ理由が弱くなる可能性があります。
さらに、練馬区で確認しておきたいのが生産緑地です。
生産緑地の周辺では、将来的に土地利用が変化し、新たな住宅や賃貸物件が供給される可能性があります。
現在は競合が少なくても、将来的に新築物件が増えれば、家賃競争が強まる可能性があります。
そのため、長期の不動産投資では、現在の賃料だけでなく「10年後、20年後も同じ収益を維持できるか」という視点が欠かせません。
ここまで6つの注意ポイントを紹介しましたが、誤解してはいけないのは、これらのエリアが一律に「投資してはいけない」ということではないという点です。
重要なのは、エリア名だけで判断しないことです。
一棟アパート投資では、
という3つの視点から確認する必要があります。
特に2026年のように金利環境が変化している局面では、表面利回りだけを追う投資はリスクが高まります。
購入価格、想定賃料、融資条件、返済額、空室率、修繕費、出口価格まで含めて、実質的なキャッシュフローを確認することが大切です。
東京23区は確かに不動産投資において魅力的な市場です。
しかし、同じ23区内でも、駅距離、賃貸需要、災害リスク、競合物件、土地利用の将来性などによって、投資判断は大きく変わります。
だからこそ、「23区だから安心」「利回りが高いからお得」という判断は避けるべきです。
一棟アパート投資で重要なのは、エリアのブランドではなく、価格・賃料・融資・賃貸需要・出口戦略のバランスです。
購入前には、販売会社から提示された収支だけを見るのではなく、実際の賃料相場や周辺競合、ハザード情報、金融機関の融資評価まで確認しましょう。
東京23区で不動産投資を検討している方こそ、「その物件を買えるか」ではなく、「その物件を持ち続け、最後に売れるか」まで考えることが、2026年の一棟アパート投資では重要になっています。
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