「これまでは株と自分の事業が中心でした。周りから不動産を勧められますが、世の中の不動産投資の情報は自分向けではない気がしています。私も皆さんと同じ買い方をすべきでしょうか」
資産5億円の方からいただいたご質問です。そして、この方の感覚は正しいと申し上げました。
お金がある分もっと高い物件が買えるから、という話ではありません。超富裕層の方が本当に強いのは、投資の戦略そのものを選べることです。
今回はこのご質問への回答として、超富裕層だからできる買い方を5つお話しします。資産に余裕のある方で一番多い失敗は、勧められるままに物件を買って資産全体がちぐはぐになってしまうこと。この5つを知っていれば、それを避けられます。
目次
一般の投資家の方は、手残りと毎月の返済を考えると「高利回りの物件を買わなければ」となります。自己資金がどうしても限られていて返済もありますので、利回りを取らないと手残りが出てこない。これは合理的な判断です。利回り8%や7%の物件と、都内の利回り5%が並んでいれば8%を選ぶべきでしょう。
ではなぜ、その物件は利回りがそんなに高いのか。人気がないからです。駅から遠い、エリアの将来が不安、出口で売れるのか分からない。リスクがあるからこそ安く買えて、高い利回りで提供できます。
利回りとはリスクとの対価です。高利回りを狙うということは、リスクをしっかり引き受けるということでもあります。
一方、超富裕層の方は利回りで手残りを作る必要がありません。ですので逆の物件を選ぶこともできます。都心の一等地のような、利回り5%を切る物件でも購入できるということです。
なぜ低い利回りでいいのか。利回りが低いのは、みんなが欲しがる安全な物件だからです。
リスクが低く、家賃をもらいながら値上がりまで取れる可能性がある。利回りを捨てるというのは、リスクを捨てているのと同じです。一般の投資家がリスクの対価として利回りを受け取っている間に、超富裕層は損しにくくて増えやすい資産を持ち、資産価値を上げていきます。
超富裕層はいくら借りるかを自分で決められます。一般の投資家は、いくら借りられるのかを金融機関に相談しなければなりません。
一般の投資家が2億円の物件を買おうとすると、自己資金は抑えて限界いっぱいまで融資を引きたい。つまり借入額を決めるのは自分ではなく銀行です。超富裕層の場合はこれが逆で、銀行から見る目線が違いますから、頭金をいくら入れるかを自分で決められます。
どれくらい違うのか、2億円の物件を35年ローンで比べてみます。
さらに金利が1%上がったとき、一般の投資家は返済が年134万円増えます。超富裕層は103万円。もともとの返済が軽いので、増えても手残りに余裕が残ります。空室が出ても耐えられますし、市況が悪くても慌てて売る必要がありません。
つまり、借金の量でリスクの量を自分で調整しているということです。
しかも、ただ頭金を厚くするだけではありません。今は金利が低いから借りたほうが得だと判断すれば、あえて借入額を増やして手元の現金を別の投資に回すこともできます。借りること自体が選択肢の1つになっているわけです。
一般の投資家は、金利が上がったり空室が決まらなくなったりして状況が悪くなると、返済に圧迫されて売るしかないという選択になってきます。超富裕層は、急いで売らなくていい。
特に今は、金利の上昇、空室、急な修繕と、悪いことが重なることもあります。返済が持ちこたえられなくなった投資家は危険です。
不動産投資で一番怖いのは、価格が下がることではありません。売りたくないタイミングで売らざるを得なくなることだと考えています。
株は下がってしまうと、持っていても入ってくるのは半年に1回の配当金だけです。会社によっては無配で出さないところもあります。株価が戻らなければ、ただの塩漬けになります。
不動産は違います。土地の値段が下がっている間も、空室が決まりにくくなっている間も、家賃は毎月コンスタントに入ってきます。その家賃でローンを返していける。つまり、持っている間に借金が減っていきます。
先ほどの例でいえば、借入1億6,000万円なら1年持つだけでローン残高が300万円以上減ります。手残りもある程度積み上がります。不動産は持ち続けるほど損益分岐点が少しずつ下がっていく資産なのです。
超富裕層は、売らないだけではありません。不動産のほかに現金や金融資産がありますので返済も生活も揺るがない。「今は少し相場が悪いから売らない」と決めて損益分岐点が下がるのを待てますし、その局面で買い増す側に回ることもできます。
一般の投資家は「この物件で儲かるか」を見なければなりません。1億円の物件を買うなら、その1億円でちゃんと手残りが出るかが全てです。当然です。唯一の勝負なわけですから。
超富裕層は違います。総資産で利益が出ればいい。
冒頭のご質問者を思い出してください。資産は約5億円。この方にとって1億円の不動産は、資産全体の約5分の1、20%にあたります。ここで出てくるのが置き場所、つまりポートフォリオという考え方です。
同じ不動産でも、持つ目的が変わってきます。
物件そのもの以外にも目的があるわけです。ですからその物件の利回りが多少低くても構いません。資産全体が安定していて、全体として増えるのであれば、その不動産は役割を果たしています。物件単体の成績表では測らなくていいということです。
いい物件もいい情報も、規模の大きいところから順に回ってくるのは世の常です。現場の例を1つご紹介します。
今年のホルムズ海峡の問題でナフサが不足し、塩ビ管やユニットバス、断熱材といった資材が手に入りにくくなりました。エアコンの室外機をつなぐ配管すら足りません。現場ではエアコンがつながらないと入居ができません。
ただ、全員が困っているわけではないのです。メーカーや商社が優先的に供給するのは、大手のハウスメーカーや年間何十棟も建てている会社です。弊社も年間の棟数がありますので、今のところはしっかり供給が回ってきています。一方で、年に数棟という会社には不足しているところもあるようです。
同じお金を払っていても、規模で順番が変わってしまう。そして物件情報もまったく同じ構造です。
不動産会社にとって、次から次へと購入を検討できる方は一番大事なお客様です。条件のいい物件が出たとき、最初に声をかけるのはそういうお客様になります。超富裕層は買い手として規模を持っているからこそ、優良物件が、求めなくても向こうから回ってくるわけです。
一般の投資家には資金や融資の制約があります。制約があるからこそ取れる戦略が絞られ、ある程度の正解が見えてきます。
超富裕層の方は、極論すれば現金で購入することもできますし、フルローンで融資を受けることも、分散することも、何も買わないことすら選べます。だからこそ「これを買えば正解」というものが存在しません。
そして目的を決めないまま勧められた物件を買い、資産全体を見るとちぐはぐになっている。これが一番多い失敗例です。
では正解がない中でどう選ぶのか。目的から逆算します。
同じ超富裕層でも、目的が違えば買うべき物件は別物になります。
考える順番が、一般の投資家とは真逆です。
冒頭のご質問への答えはこうです。皆さんと同じ買い方をする必要はまったくありません。5億円全体の中で不動産に何をさせたいのかを決めてください。物件はその後で十分です。
そしてこれは超富裕層だけの話ではありません。資産1億円でも5,000万円でも、目的から逆算する順番は同じです。超富裕層が有利なのはお金の量ではなく、選択肢の多さ。そして一般の投資家が間違えやすいのは、この順番のほうです。
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なお、本記事の試算は特定の条件を置いたシミュレーションであり、収益や資産価値、将来の金利水準を保証するものではありません。
金融機関の融資条件や物件の評価は一律ではなく、投資家の属性・物件・エリア・時期によって異なります。実際のご検討にあたっては、具体的な条件をご確認のうえ慎重にご判断ください。
私の不動産投資とお客機に対しての向き合い方は、物件購入がゴールでは無いということ。
お客様のご資産背景等により最適な物件は異なりますので、メリット・デメリットをしっかりお伝えして、最適のご提案をさせて頂きます。土地仕入→建築→販売→賃貸仲介→管理の一貫体制だからこそ、実現できる安定した不動産経営をご提案させて頂きます。