2026年6月に政策金利が1%へ。
そして9月18日の日銀会合で1.25%へ。
わずか3ヶ月で0.5%も上がりました。
今回の利上げで最もダメージを受けるのは、アパートのオーナー様です。
アパートローンのほとんどが変動金利ですので、政策金利が上がれば上がった分だけ返済額もそのまま連動します。
そして一番危ないのは、このニュースを「まあ大丈夫だろう」と流し読みしている方です。
返済額が上がるのに、家賃はすぐには上げられません。
増えた分は全部、オーナー様の手残りから減っていきます。
今回は1億円を借りている場合に手残りがいくら減るのか、そしてそれがいつ自分のところに来るのかを、実際の数字で検証します。
目次
まず、ここを押さえておく必要があります。
住宅ローンには「返済額を5年間変えない」「上げても1.25倍まで」という歯止めがあります。
しかし多くのアパートローンには、これがありません。
ある日、銀行から通知が届いて、次の月から返済額が跳ね上がる。
そういう構造になっています。
そして返済額が上がっても、家賃をその場で上げることはできません。
増えた分はそのまま手残りから引かれます。
1億円の借入なら年間で数十万円単位で変わってきます。
物件によっては、今は手残りがある状態でも、金利の上昇でそれが丸ごと消えてしまう。
つまり持ち出しに変わってしまうケースも出てきます。
その前に1つ整理します。
ニュースに出てくる日銀の政策金利と、皆様が銀行に払っているアパートローンの金利は別物です。
ただし繋がっています。
政策金利が上がると銀行がローンの基準にしている金利も上がり、最終的に皆様のローン金利が上がります。
今回は政策金利の上げ幅がそのままローン金利に乗る前提で見ていきます。
ここからローン金利を3段階で上げていきます。
手残りが年50万円の物件を例に、影響を並べます。
月額で見ると、+0.5%のケースで35万2,000円だった返済が37万9,000円になります。
「0.何%だから大したことないのでは」と思われがちですが、借りている金額が1億円ともなると0.1%動くだけで年6万〜7万円変わります。
ここが一番誤解されているところです。
日銀が利上げした日に、皆様の返済額が変わるわけではありません。
実際には、こういう順番で伝わってきます。
つまり、9月までの利上げが2027年1月の返済額として反映される方が出てくる、ということです。
半年で0.5%上がっていますので、先ほどの計算でいえば手残りの6割が消えるラインにあたります。
日銀の会合はこの先も続きます。
市場ではさらに上がるのではないかという見方も出ていますが、いつ何%まで上がるかを言い当てるのは難しいことです。
当てにいくのではなく、上がった分が自分にいつ、どう跳ね返ってくるのかを押さえておく必要があります。
通知がいつ来るのか、返済額がいつどう変わるのかは、金融機関の見直し日によって人それぞれです。
日銀のニュースをいくら見ても分かりません。
分かるのはご自身の契約書だけです。
金利が上がったときに起きるのは、返済額が増えることだけではありません。
元金の減るスピードがゆっくりになります。
アパートローンは元利均等返済方式が主流で、毎月の返済額の中身が利息と元金に分かれています。
金利が上がると、その中の利息の取り分が増えます。
返済額は増えているのに、元金の減り方は前より遅くなるわけです。
1億円を金利2.4%・35年で借りている場合の10年間を比べます。
これがどこに効いてくるのか。
売るときです。
不動産投資は10年ほどで売却される方が多く、売却の利益は売れた値段からローンの残債を差し引きして決まります。
残債が150万円多ければ、同じ値段で売れても手元に残るお金が150万円減ります。
毎月の手残りが減るのと、出口の利益が減るのと、二重で効いてきます。
商品によっては、金利が上がっても返済額を一定期間据え置くものがあります。
その場合は毎月の負担が変わらない代わりに、利息だけが増えて元金がさらに減りません。
このケースでは10年後の残債が約520万円も多く残ります。
返済額を見ているだけでは分かりませんので、金利が上がった場合には10年後の残債、つまり売却するときのローン残債まで引き直す必要があります。
1.ご自身のローンの金利見直し日と、反映時期を確認する
見る書類は金融機関の金銭消費貸借契約書と返済予定表です。
変動か固定か、今の適用金利、次の見直し日、そして新しい金利がいつの返済から反映されるのか。
10分ほどで終わります。
2.持っている全物件を「+0.5%」「+1%」で計算し直す
最初にやった計算を、ご自身の物件で実際にやってみてください。
見るのは今黒字かどうかではなく、仮に+1%でもどれだけ収支が残るかです。
返済だけでなく、空室や修繕、固定資産税、管理費まで全部払って、それでも手残りがあるのかどうか。
先ほどお話しした残債も一緒に引き直します。
3.手元の現金を減らさない
金利が上がると聞くと繰り上げ返済をしたくなりますが、会社員の大家さんの生命線は手元の金融資産です。
次の物件を購入する際の融資審査も、この金融資産の額で決まると言っても過言ではありません。
繰り上げ返済で現金を減らすと次の物件が買えなくなるリスクがありますし、修繕や空室に備えるにも現金が要ります。
繰り上げ返済は、金融資産が潤沢にある方の選択肢とお考えください。
4.危ない物件は、上がってからではなく今、出口を考える
+0.5%や+1%で計算した結果、手残りがほとんどない、あるいは赤字に転落する。
そのうえで修繕が来たら耐えられません。
この物件は金利が上がると危険だという可能性が見えてきた時点で、出口を考え始める必要があります。
「国債でも3%くらいつくし、インデックス投資なら6%・7%と言われている。不動産はやらないほうがいいのでは」。
投資のご面談でも、この質問は本当に増えています。
正直に申し上げると、以前より不動産投資の旨みが減っているのは事実です。
ただ、他の投資と決定的に違う点が2つあります。
1つ目はレバレッジです。
2つ目は税制面です。
減価償却や経費を計上することで、会社員の方なら所得税の還付を受けられる場合もあります。
そのうえで大事なのは、金利が上がっても成り立つ物件を購入することです。
見るべきは次の3点になります。
逆に危ないのは、今の金利でギリギリ黒字の物件です。
また同じ物件でも、金利・返済期間・自己資金といった融資条件によって収支は変わります。
ですから物件を探す前に、自分がどんな融資条件で購入できるのかを先に押さえておく必要があります。
すでにお持ちの方は、契約書で見直し日を確認し、+1%で全物件を引き直す。
この2つを今月中にやっておくだけで、来年1月に通知が届いたときの動き方がまったく変わります。
これから始める方に1つだけお伝えしたいのは、いい物件が出てから探し始めても遅いということです。
いい物件が出たとしても、自分はいくらまで融資が出るのか、どんな条件の物件なら買えるのかが分かっていなければ、その場で判断できません。
その間に、準備ができている人が買ってしまいます。
順番としては、この4つです。
弊社では、ポータルサイトにまだ出ていない神奈川の新築アパートなどの未公開物件を、無料会員様限定で公開しています。
提携している金融機関をもとに、ご自身がどれくらいの融資を受けられるのかの簡易シミュレーションもお出しできます。
今すぐ買う予定がない方でも、今どんな物件が出ているのか、自分ならどの価格帯を検討できるのかを知っておくだけで参考になるかと思います。
なお、本記事の試算は特定の条件を置いたシミュレーションであり、将来の金利水準や収益を保証するものではありません。
金利の見直し時期・反映時期・適用される基準は金融機関ごとに異なり、投資家の属性や物件、時期によっても変わります。
ご自身の条件については必ず契約書および金融機関にご確認のうえ、慎重にご判断ください。
私の不動産投資とお客機に対しての向き合い方は、物件購入がゴールでは無いということ。
お客様のご資産背景等により最適な物件は異なりますので、メリット・デメリットをしっかりお伝えして、最適のご提案をさせて頂きます。土地仕入→建築→販売→賃貸仲介→管理の一貫体制だからこそ、実現できる安定した不動産経営をご提案させて頂きます。