【“下剋上”から始まった賃貸仲介部門の再生】【更新】 | 神奈川の不動産投資、新築アパート経営は横濱コーポレーション

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【“下剋上”から始まった賃貸仲介部門の再生】
横濱コーポレーション株式会社 代表取締役社長 菅沼勇基の連載コラム。
第13弾は、『“下剋上”から始まった賃貸仲介部門の再生』について
グループ会長から「一緒に立て直してほしい」と声がかかったのが、私が現場に入ったきっかけでした。
とはいえ、賃貸仲介事業の経験はゼロ。 これは、“崩壊寸前の組織”が、わずか数年で「人が集まり、育ち、長く働きたくなる会社」へと変わっていった、再生と成長の記録です。
【崩壊寸前からのスタート】
2023年当時、私が経営を任されたのは、年間で社員が次々と辞めていく、いわば“崩壊寸前”の賃貸仲介部門でした。 店舗数は全部で8店舗、社員数は40名にも満たず、経営方針も定まっていない。過去には地域に根ざしていない経営陣や短期間での社長交代などがあり、現場は混乱しきっていました。
そんな中で、「このままでは何も変わらない」と感じ、神奈川県で高い客付力を誇っていた他社の営業チーム15名を統合。
結果、旧体制の社員と合わせて55名での再スタートとなりましたが、旧文化と新文化の衝突、見えない派閥、非効率な運営が課題として立ちはだかっていました。
【非効率の排除と組織の再編成】
最初に取り組んだのは、非効率な店舗運営の見直しでした。 赤字が続いていた郊外の店舗や、地域性に合わない立地の拠点、そして実質的に物件紹介ができないような店舗はすべて撤退。
たとえば、賃貸需要が非常に高いエリアでは、オーナーが付き合いのある1社にしか物件を任せず、広告費もほとんど出さないことが多くあります。 そうしたエリアでは、紹介できる物件も少なく、仲介手数料や広告料も見込めないため、店舗を維持するだけで毎月数十万円単位の赤字が発生していました。
このように「勝ち目のない場所」で無理に店舗を構える意味はないと判断し、思い切って店を閉じました。 その代わりに、人材と戦力を集中できる体制を整備。 同時に、全社員との個別面談を実施し、それぞれの課題や目標を共有することから再スタートを切りました。
さらに、毎月の全体会議では会社のビジョンと方向性を繰り返し発信し、全員で同じゴールを目指せる組織づくりに注力しました。
掲げたテーマは「下剋上」。 経験や立場にとらわれず、全員にチャンスがある会社に変えていく。その第一歩でした。
【営業構造の刷新と成果主義への転換】
営業スタイルも従来の“属人的な営業”から、“誰でも成果が出せる営業”へと転換。 カウンター接客に特化することで、未経験者でも活躍できる仕組みを構築しました。
人件費・固定費の「見える化」により、月80万円の売上で利益が出る構造を明示。 その結果、営業社員は45人から100人規模へと拡大しました。
また、独立や離職を防ぐために、社内で扱う物件に制限をかけ、他社では営業ができない仕組みも整備。 さらにキャリアパスとして、店長やマネージャーなどの役職を新設し、「ここで働き続けたい」と思える環境へと変えていきました。
【組織力で神奈川トップクラスへ】
こうした改革の結果、賃貸仲介部門は着実に力をつけ、神奈川県内のアパマンショップ加盟店の中で複数店舗がトップクラスの成績を収めるように。
「前は目立たなかった店舗が、今や県内上位へ」。 店舗同士が競い合い、成長し合う文化が自然と根付き、組織全体が強くなっていきました。
また、外部の人材からも「入りたい」と声をかけられるようになり、求人にも良い循環が生まれています。
【次の目標は「安定」と「多様な働き方」】
今後の成長軸は、仲介に加えて「管理部門の強化」へと移行していきます。
管理収入というストック型の利益を積み上げることで、短期的な売上に左右されず、安定した経営基盤が築けるようになります。
そうすることで、社員にはより柔軟な働き方を提供できるようにしたいと考えています。 たとえば、育児や介護、ライフスタイルに合わせて勤務時間を調整できたり、仮眠室の設置や、将来的には託児所の併設も検討中です。 社員一人ひとりが無理なく、安心して長く働ける職場。それが次に目指す姿です。
「休みが増えても利益が落ちない会社」 それを実現するための仕組みづくりは、すでに着々と動き出しています。
【おわりに】
“下剋上”という旗のもとに始まった賃貸仲介部門の再生は、気づけば神奈川トップクラスの存在へ。
今後は、攻めの姿勢で管理・賃貸仲介の両軸を拡大しつつ、「人が集まり、育ち、ずっと働きたいと思える会社」として、地域と業界に貢献していきます。
ページ作成日 2025-06-30